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行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください

すでに発表されておりますとおり、行政刷新会議事業仕分け対象事業のうち、文化・子どもに関する項目は

●文化芸術家の国際交流等(芸術家の国際交流、伝統文化こども教室事業、学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業)
⇒芸術家の国際交流:予算要求の縮減
⇒伝統文化子ども教室、学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成:国の事業として行わない

と評価されております。
文部科学省では、広く意見を募集しておりますので、ぜひご意見をお寄せください。

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行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm 

現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても対象となっております。

 この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、広く国民の皆様からご意見を募集いたします。
予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。

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注:文化に関しては、11月19日に大筋を決める会議を行うようですので、コメントは早いほうがよいと思います。

【参照】 
○平成22年度文部科学省 概算要求の概要(平成21年10月)
http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h22/index.htm

○行政刷新会議ワーキンググループ・配布資料 (前述の文科省WEB掲載と同じもの)
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/nov11.html 

○評価コメントと評決結果(11/11午後の部の「7から11」が文化関係)
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/3kekka.html 

○文部科学省の政策(政策一覧、予算・決算、税制、評価、文部科学省政策会議等)
http://www.mext.go.jp/b_menu/b004.htm


NPO法人子どもとアーティストの出会いとしては、下記のコメントを送りました。

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■学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業について

学校への芸術家派遣およびコミュニケーション教育拠点形成事業は、国の施策として実施するべきです。

私どもNPOが取り組んできた芸術家の学校派遣やワークショップなど活動を推進する中で、ナラティブアプローチを通してエピソードを集めて行くと、個々への波及効果や芸術家と触れたことにより、子どもたちや学校に大きな変化や効果があることが分かっています。同様に、英国のクリエイティブ・パートナーシップが蓄積してきたエヴィデンスベースのエヴァリュエーションは参考にできることも非常に多く、その方法論も確立されつつあります。また、シンガポールのように学校の中にプログラムオフィサーを置き、創造的な授業づくりに取り組むなど参考となる重要な施策は多くあり、学力等の数値に留まらない評価手法を構築することが、これら事業の成果を示していくために有効と考えます。

そういった見地から今回のWGの評価結果を拝見すると、大変遺憾に思います。
確かに、評価者のみなさまのコメントにあるように、目的として設定されている「コミュニケーション能力の育成や子どもたちの豊かな感性や創造性を活かし、育むこと」が現在の方法でどこまで達成できているかについては、事業のやり方および評価方法について計画的に策定する必要があると考えます。(「平成14
年度から実施した「学校への芸術家派遣事業」の検証がなされていない。新たな事業
展開は検証をした後に実施すればよい。」「モデル事業で行うものではなく、各学校で取り組むための補助策を計画性を持って行うべき。全面見直しが必要。」[行政刷新会議第3WG評価コメントより])
こういった評価結果が示されることは、日本の教育がこれまで積極的に心・感性・多様性に向けた教育をしてこなかったことがあると考えます。
個人の自由な発露・表現としての芸術文化は、人が人として生きるうえで欠かせない重要なものであり、基本的人権です。かつ、社会教育という観点からしても、芸術文化は重要な役割を担っています。それは、国家が文化を取捨選択するという意味での国の事業ではなく、あまねく国民の文化的な権利を保証するという国のポリシーであるべきものです。

あわせて、芸術文化へのアクセスに地方格差と経済格差が大きく影響していることは、文化庁はじめすでに数多のデータが示している通りです。日本の将来を担う子どもたちに対する教育の貧困さ、多様性の乏しさは、さらなる格差を広げていくことになります。
そのためにも、自治体・民間への「外だし」ではなく、国の施策が必要です。仮に自治体に外だしするのであれば、その財源の根拠を示して頂きたいと思います。

また、今日的課題として工業地帯や新興住宅地など郊外地域の学校の多国籍化による学校教育の困難さがあげられていますが、経済的活性の観点からは外国人労働者の受け入れは今後も増えることでしょう。民族的多様性をもつ諸外国においては、芸術文化を通した異文化理解、多様性を受け入れる他者受容力を育む教育が積極的におこなわれており、その効果も蓄積されています。ぜひこれら世界の事例に学び、さらなる予算化をもって学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業をより効果的なものへと変革することを求めます。

今回のWGで芸術文化を通した教育を経験していない人々が評価をすることは不本意であり、予算削減ありきの姿勢を感じざるを得ません。よって、民間の専門家や実践者、企業などとの公開の議論の場を設置することを切望します。

■参考データ
『TOA 音楽と教育の意識調査2008』(主催:TOA株式会社)
同調査では、小中高生の子どもをもつ保護者500人を対象に音楽と教育における意識調査を行い、以下の結果が報告されました。
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「子どもが生きていくうえで、どんな力が必要か」という質問に対しては
「心の豊かさ」が53.0%、「コミュニケーション力」(50.6%)、「表現する力」(23.4%)。「高収入」は3.4%、「高学歴」は1.0%でした。
「心の豊かさを育むのにもっと役立つ科目(教科)は」という質問に対しては、1位が音楽(35.2%)、ついで国語(28.6%)、図工美術(27.4%)となりました。
「コミュニケーション力」を高める科目は、国語(47.0%)、外国語(32.6%)、音楽(10.8%)の順になりました。
「表現する力」は、図工美術(42.6%)、国語(34.4%)、音楽(14.0%)の順となりました。
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これらの調査結果を当団体では以下のように分析しました。「心の豊かさ」を求める声は半数を超える反面、「高収入」「高学歴」を望む声はきわめて低く、子どもを持つ保護者たちには、「スキル」よりも「心の持ち方」を重視する傾向があります。また、文学を含めた芸術文化への高い関心と要求があることが分かりました。学力偏重回帰への傾向は、数値で分かりやすい問題が一時的にクローズアップされているにすぎず、必ずしもマスメディアの報道で伝えられる内容と、市民の社会的要請とは合致しないことに注視する必要があります。

つきましては、学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業を子どもの心の豊かさ・コミュニケーション力・表現する力を育てるために欠かせない施策として、より教育現場のニーズに沿った意義のある事業として実施されることを切望します。

以上

2009年11月18日
特定非営利活動法人子どもとアーティストの出会い
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by ide_h | 2009-11-18 16:38 | 子どもとアーティストの出会い